人に聞けない敬語とマナーの事典
 
敬語の使い方
 
▲敬語の基本 
 
◇相手を敬う尊敬語
 「いらっしゃる」「ご覧になる」 ご多忙」「お宅」「お嬢様」「御社 「山田様」「山田部長」
 
◇自分を低める謙譲語
 「参る」「申す」「うかがう」「 ただく」「私ども」「粗品」
 
◇物事を丁寧に言う丁寧語
 「います」「行きます」「……で 」「ございます」
 
▲家庭での敬語
 「お父様」「お母様」「おやじ」 おふくろ」
 
▲学校での敬語
 
◇先生は「おわかり」にならない
 一般的に目上の人には、「できる 「やれる」などの可能を表す動詞は わない。
 
◇「して」はいらない
 「お~する」は本来謙譲語なので 他人には使えない。「お話しいただ ましょう」が正解。もしくは「お話 をしていただきましょう」
 
◇「おります」は自分だけ
  
◇母は「おっしゃらない」
 「よろしくと申しておりました」 正しい。
 
▲職場での敬語

◆上下、内外で使い分ける■
 上司の不在を伝える場合、相手が 外の人なら、「Aは(課長や部長の 称はつけない)、ただいま席を外し ております」となるが、相手が上司 家族なら、「A課長はただいまお出 けになっていらっしゃいます」とな る。また、「B社の田中と申します 鈴木部長はいらっしゃいますか」と ねてきた相手を部長に取り次ぐ際、 「田中と申される方がおいでになっ います」というのは間違い。「田中 んとおっしゃる方がおいでになって います」と言い換える必要がある。
 
◆ビジネス敬語の基本構造■
  
◇尊敬語の構造
1 「お」+「動詞」+「くださる」
・お書きくださる
・お待ちください
2 「お」+「動詞」+「になる」
・お書きになる
3 頭に「お」「ご」をつける
・ご存じですか
・お暇ですか
4 語尾に「れる」「られる」をつける
・書かれる
5 語尾に「いらっしゃる」をつける
・いらっしゃいますか(来ますか)
・いらっしゃいますか(居ますか)
 
◇謙譲語の構造
1 「お」+「動詞」+「ます」
・お知らせいたします
2 「お」+「動詞」+「いただく」
・お見せいただけますか
3 語尾に「申し上げる」をつける
・お知らせ申し上げます
4 語尾に「あげる」「ねがう」をつけ
・お見せねがえますか
 
◇丁寧語の構造
1 語尾に「ます」をつける
・課長はただいま参ります
2 語尾に「です」をつける
・鈴木です
3 語尾に「ございます」をつける
・佐藤でございます
・当店にはなんでもございます
 
▲司会/スピーチでの敬語■
◆司会での敬語の間違い例■
 
◇祝電は「参らない」
 結婚披露宴の祝電紹介で、司会者 「祝電が参っております」と言う例 あるが、正しくは祝電を出してくれ た人に敬意を表して、「祝電を頂戴 ております」と言う。
 
◇「ございます」は誤り
 会議が昼食時にかかったりする場 、「あちらの部屋にご食事を用意し ございます」と進行役の人が言う場 合があるが、これは誤り。ここでは ある」の丁寧語の「ございます」で なく、謙譲語の「おります」を使う のが正解。
 
◇「お聞きする」ことはない
 講習会やセミナーなどで司会役の が、「先生に何かお聞きすることは りませんか」と参加者に向かって呼 び掛けるケースが多いが、「お聞き る」は謙譲語なのでおかしい。「お きになりたいことはありませんか」 が正しい。
 
◆スピーチで過剰な敬語は×■
 おめでたい席だから敬語を使わな てはと思うあまり、いたずらに敬語 重ねてしまうミスが多い。たとえば 結婚披露宴のスピーチで、「ご新郎 新婦お二人でお末長くお幸せに、暖 いご家庭をお築きなさいますよう… 」的なあいさつを耳にすることがあ が、これでは聞き苦し
い。新郎新婦は、それだけで敬称な で「ご」は必要ない。以下も「二人 いつまでも幸せに、暖かい家庭をお 作りください…」程度が無難。 
▲電話での敬語■
 かけるにしろ受けるにしろ、電話 は相手の顔が見えない。直接会って しているのなら、ちょっとした間違 いは表情や仕種でカバーできるが、 話では間違いはそのまま伝わる。そ だけに敬語の使い方にも注意しなく てはならない。
 
◆電話をかけたとき■
 
◇「いますか」は失礼
 電話をかけて、「山田さん、いま か?」という言い方はおかしい。一 的には、「……はいらっしゃいます か」もしくは「……をお願いしたい ですが」と言う。もし身内の人なら 「山田はおりますか」「山田をお願 いしたいのですが」となる。
 
◇「……ですが」は誰ですか
 自分の名前を名乗るのに「田中で が……」は、電話に出た相手に失礼 「田中と申しますが……」とするの が正しい。電話に限らず相手を会社 訪ねたときなども同様の言い方をす 。
 
◇「いいですか」は良くない
 相手に同意を求めるときに、「… で、いいですか」と言う人がいるが これでは押しつけがましく聞こえる 。丁寧に「よろしいですか」
「よろしいでしょうか」と聞くこと
 
◆電話を受けたとき■
 
◇「どなた」は難しい
 相手がはじめに名乗らないとき、 前をたずねるつもりで「どなたです 」と聞く人がいるが、「どなた様で しょうか」と聞くほうがより丁寧な ずね方。また、かかってきた電話を り次ぐ際、「どなたをお呼びしまし ょうか」と、自分の社内の人間に対 て尊称の「どなた」を用いる人がい が、これは誤り。「誰をお呼びしま しょうか」が正しい。 
◇あとで、かけてくれません
 名前を呼ばれた本人が席を外して たり、出かけていたりする場合、「 とでかけてくれませんか」「かけ直 してくれませんか」と取り次ぐ人が るが、「くれる」は目上の人が目下 人に対してものを頼むときの言葉な ので間違い。「おかけ直しください 「おかけ直しいただけないでしょう 」が正しい。「おかけ直ししてくだ さい」と言う人もいるが、これは「 かけ直しください」と、「して」を るのが正解。
 
◇「お電話させます」はおかしい
 本人がいないとき、「戻りました 、お電話させます」「お電話するよ 申し上げます」と言って電話を切る 人がいるが、これも失礼な言い方。 こでは身内(社内)の立場に立ち、 やる」の謙譲語である「さしあげる 」を使って、「お電話をさしあげる うお伝えします」が正しい言い方と る。
 
▲手紙/文書での敬語■
 電話やファックス、電子メールで 件が済む時代だが、あらたまった挨 やお礼には手紙が欠かせない。文面 から人柄が伝わるような手紙
は、もらった方もうれしいもの。ち っとした敬語の使い方を知っていれ 、もらった相手の喜びは何倍にもな る。手紙で一番難しいのは、目上の に出す場合。文書はいつまでも残る のなので失礼のない敬語遣いに気を つけたい。
 
◇目上の人には「あなた様」
 相手を呼ぶ場合、かつては「あな 」と言うだけで敬意を含む表現だっ が、現在は目上の人に対しては「あ なた様」を用いるのがベター。ほか は「そちら様」もしくは簡単に「山 様」のように書くのがよ
い。
 
◇「お元気ですか」は同輩だけ
 時候の挨拶に続いて「お元気です 」と書き出すのが一般的だが、目上 対しては「お元気でいらっしゃいま すか」と丁寧に言うのが礼儀。また 中でおわびする気持ちが強い場合は すみません」よりも「申しわけござ いません」を使うほうがよい。
 
◇「来てもらって」は×
 お見舞いや訪ねてもらったことに する礼状には、「おいでいただいて が基本。また、お祝いや贈り物をも らったことに対する礼状では
「送ってもらって」ではなく、「お りいただいて」となる。
 
◇「ご主人様」は二重敬語
 既婚の女友達に対する手紙の文末 「ご主人様にもよろしく……」と書 人がいるが、これは「ご主人にもよ ろしく……」で十分。様をつけると 重敬語となる。
 
◇相手の名前は行末に来ない
 先方の名前や先生などの尊称は行 に来ないようにするのが常識。来そ なときは字間などで調節する。
 
▲動作を表す敬語■
 (相):相手側
 (自):自分側
 
◆見る■
  (相)
  ご覧になる
  見られる
  (自)
  拝見いたします
  見せていただく
 
◆聞く■
  (相)
  聞かれる
  お聞きになる
  (自)
  承る
  拝聴する
  お聞きします
 
◆知る■
  (相)
  ご存知
  お知りになる
  (自)
  存じております
  知っております
 
◆行く■
  (相)
  行かれる
  いらっしゃる
  お出かけになる
  (自)
  お伺いします
  参上します
  伺う
  まいる
 
◆来る■
(相)
  来られる
  お見えになる
  いらっしゃる
  (自)
  まいる
 
◆会う■
  (相)
  お会いになる
  会われる
  (自)
  お目にかかる
  お会いします
 
◆いる■
  (相)
  いらっしゃる
  おいでになる
  (自)
  おる
 
◆思う■
  (相)
  思われる
  お思いになる
  (自)
  存じます
  存じ上げます
 
◆食べる■
  (相)
  召し上がる
  お食べになる
  (自)
  ご馳走になる
  いただく
 
◆もらう■
  (相)
  お納めになる
  (自)
  いただく
  頂戴する
 
◆受ける■
  (相)
  お受けになる
  (自)
  いただく
  賜る
 
◆与える■
  (相)
  お与えになる
  (自)
  差し上げる
 
◆言う■
  (相)
  言われる
  おっしゃる
  (自)
  申す
  申し上げる
 
▲敬語による人の呼び方■
 (相):相手側
 (自):自分側
 
◆本人■
  (相)
  貴殿
  貴兄(目上の人に)
  貴社長(役職名)
  あなた
  あなた様(女性に)
  (自)
  私
  わたくし
  小生
  僕(目上の人には使わない)
 
◆夫■
  (相)
  ご主人(様)
  ご夫君(様)
  (自)
  夫
  主人
 
◆妻■
  (相)
  奥様
  御奥様
  (自)
  妻
  家内
 
◆両親■
  (相)
  ご両親様
  (自)
  両親
  父母
 
◆父■
  (相)
  父君
  お父様
  お父上
  ご尊父(様)
  (自)
  父
  老父
  親父
 
◆母■
  (相)
  母君
  お母様
  お母上
  ご母堂(様)
  (自)
  母
  老母
  お袋
 
◆息子■
  (相)
  ご令息
  ご子息
  ぼっちゃん
  (自)
  息子
  せがれ
  長男
 
◆娘■
  (相)
  お嬢様
  ご息女
  お嬢ちゃん
  (自)
  娘
  子供
  長女
 
◆家族■
  (相)
ご一同様
  ご家族の皆様
  皆々様
  (自)
  私ども
  家族一同
  家中
  皆々
 
◆上司■
  (相)
  ご上司
  御上役
  貴社長・貴部長(役職名)
  (自)
  上司
  社長・部長(役職名)
 
 
▲敬語表現による場所・物の呼び方
 
 (相):相手側
 (自):自分側
 
◆家■
  (相)
  お宅
  貴宅
  貴邸
  (自)
  拙宅
  小宅
  当方
 
◆会社■
  (相)
  貴社
  御社
  (自)
  当社
  弊社
 
◆商店■
  (相)
  貴店
  (自)
  当店
  弊店
◆銀行■
  (相)
  貴行
  貴支店
  (自)
  当行
  本行
  当支店
 
◆学校■
  (相)
  貴校
  御校
  (自)
  本校
  当校
  わが校
 
◆官庁■
  (相)
  貴所
  貴庁(省)
  (自)
  当所
  当庁(省)
 
◆品物■
  (相)
  ご厚志
  銘菓
  銘酒
  (自)
  粗品
  寸志
  粗酒
 
◆考え■
  (相)
  ご意見
  ご高説
  お考え
  ご趣旨
  (自)
  私見
  私案
  見解
  所存
 
▲ビジネス敬語への言い換え例■
  一般語→ビジネス敬語
 
◆人称のビジネス敬語■
 
わたし
  →わたくし
わたしたち
  →わたくしども
あんた/皆さん/あんたたち
  →あなた/皆様/あなた方

  →どちら様/どなた様
 
◆応対・接待のビジネス敬語■
 
いますか
  →いらっしゃいますか
待ってくれる
  →恐れ入りますが、少々お待ち ださい
(待たせたとき)
  →お待たせ致しました
何の用ですか
  →どのようなご用件でございま ょう
どうしますか
  →いかがでございましょう
もう一度来てください
  →もう一度ご足労願えませんで ょうか
私で良ければ聞いておきます
  →お差し支えなければ承ってお ます
ちょっとお聞きしたいのですが
  →少々おうかがいしたいのです
何ですか?よく聞こえません
  →聞き取れませんでしたので、 う一度おっしゃっていただけますか
何とかしてもらえませんか
  →何とかご配慮を願えませんで ょうか
(部長に)課長の言ったとおりにし した
  →おっしゃったとおりにいたし した
(課長に)部長が呼んでます
  →部長がお呼びです
(上司に)すぐにはできません
  →すぐにはいたしかねますが、 日中でよろしいでしょうか
(お客様に)課長さんですか?今日 お休みです
  →課長の○○は、本日休みをい だいております。(本日休んでおり す)
(お客様に)それでいいですか?
  →そちらでよろしいでしょうか
(お客様に)課長に言っておきます
  →課長の○○に申し伝えます
(お客様に)うちではそういったも は扱っておりません
  →申し訳ございません。私ども はそのようなものは扱っておりませ が、○○のようなものを扱っており ます
(お客様に)こちらの担当ではない で、担当の方へ電話してください
→申し訳ございませんが、こちらの 当ではございません。恐れ入ります ○○の○○番の方へ、お掛け直しい たでけないでしょうか
(お客様に)あなたの住所、氏名、 務先を教えてください
  →お客様のご住所、お名前、お め先を教えていただけますでしょう
 
◆その他のビジネス敬語■
そうです
  →さようでございます
いいです
  →結構です
   よろしゅうございます
すみませんが
  →恐れ入りますが
   申し訳ございませんが
ありがとう
  →ありがとうございました
知りません
  →存じません
   伺っておりません
私ではわかりません
  →私ではわかりかねます
わかった
  →わかりました
   承知致しました
ありません
  →ございません
やれません
  →致しかねます
来ません
  →参りません
来てください
  →いらして頂けますか
   お越しください
いません/席にいません
  →おりません/席を外しており す
行きます
  →伺います
   参ります
聞いていました
  →伺っておりました
ことづけますか
  →おことづけがございましたら りますが
手数をかけました
  →お手数をおかけ致しました
 
▲コラム■
 
●レゲエやヒップホップに学ぶ敬意 現の「リスペクト」■
 外国語に敬語はないと言う人がい が、敬語は敬意表現のひとつである 上、それぞれの言語文化に根ざした 敬語は存在すると考えたほうがいい
英語で尊敬のことをリスペクトとい が、これを挨拶代わりに使っている が、レゲエやヒップホップなどブラ ックミュージックの世界。彼らは会 たとき、あるいは別れ際に、こぶし こぶしをぶつけあって「リスペクト (・メン)!」と挨拶する。つまり 尊敬!」が挨拶の言葉なのである。 のリスペクトには、「俺はおまえの こと、ちゃんと認めているぜ」的な ュアンスが含まれている。これが真 敬意表現と言えるだろう。
 
●国語審議会は何を審議しているの ?■
 ニュースや新聞でときどきお目に かる国語審議会。人気歌人の俵万智 委員に迎えるなど、それなりにアピ ールしているが、いったい何を審議 ているのか一般にはよくわからない が実状。ちなみに平成八年に発足し た第二一期国語審議会では、「敬語 中心とする言葉遣いに関する問題」 「主としてワープロ等における字体 の問題」について検討した。特に敬 については、「敬意表現のひとつと ての敬語」と位置づけ、コミュニケ ーションを重視する姿勢がうかがえ 。また、次期以降の継続審議として 具体的に現代敬意表現の使い方をま とめる予定という。
 
慶弔・贈答のマナー■
 
▲結婚披露宴でのマナー■
 慶事にも様々あるが、代表的なも は結婚式だろう。結婚披露宴に招待 れたら、おめでたい席にふさわしい マナーを守って、新郎新婦の門出を から祝福したい。
 
◆招待状の返信はここに注意■
 招待状を受け取ったら、指定され 期日までに出席、欠席の返事を必ず す。返信には、御出席、御欠席、御 住所の「御」を2本線で消す。御芳 は「御芳」まで消すこと。宛名の「 」は、同様に消して「様」に書き直 す。また、出席、欠席に関わらず、 言挨拶を書き加えれば、受け取った うも気持ちいい。
 
◆ご祝儀袋の表書きのルール■
 「御祝」や「寿」が印刷された( い場合は自分で書く)市販のものを 意し、中央下半分に自分の氏名を一 字一字楷書で丁寧に書く。会社名や 署名を書くときは氏名の右手に。中 みの金額欄に包んだ金額を書き忘れ ないこと。ご祝儀袋には水引と呼ば る飾り紐がついている
が、結婚式の場合は二度と繰り返さ いようにという意味で、「結び切り というタイプのものを選ぶこと。
 
◇結婚祝い金の目安
 自分が二〇代なら二万円、三〇代 ら三万円が相場。ただし結婚する人 兄弟・姉妹や親類の場合は五~一〇 万円が相場。かつては偶数の金額は り切れる(破綻につながる)からタ ーとされたが、現在では二万円や一 〇万円にかぎり許される。
 
▲お葬式でのマナー■
 死は人生におけるもっとも厳粛な ーン。故人の生前の厚意に感謝
し、冥福を祈る意味でも心のこもっ セレモニーで送ってあげたい。
 
◆お通夜と弔問のマナー■
 
◇お通夜、葬儀、告別式
 お通夜は本来、身内やごく親しい 柄の人たちが行う儀式だが、最近で 、友人、知人、近所の人も参列する ようになってきた。「内輪で」と断 れないかぎり、知らせを受けたら出 するのが普通。故人と親しかったら 、葬儀、告別式にも出席する。一般 会葬者として参列するなら、葬儀の の告別式からでよい。
 
◇弔問での服装
 男性はブラックスーツかダークス ツ(ただし、お通夜前の弔問は平服 よい)。ネクタイや靴も黒で統一す る。女性は地味なスーツやワンピー 。夏でもノースリーブはダメ。バッ や靴も光沢のないものにする。結婚 指輪以外のアクセサリーや香水、マ ュキアなどもつけない。 
◇香典の表書きと贈り方
 香典は、お通夜、告別式のいずれ 持参してもかまわない。香典を入れ 不祝儀包みには、「御霊前」と書か れたものを使用する。この言葉は、 教、神道、キリスト教などいずれの 教宗派にも通用する。下段には自分 の氏名を書く。
香典は服紗や風呂敷に包んで持参し 受付で出す場合は表書きを先方に向 て差し出し、霊前に供える場合は自 分に向けて供える。
 
◇お通夜での線香のあげ方
1 祭壇に向かって一礼する。
2 線香を1本取り、ろうそくにかざし 火をつける。
3 火を左手であおぎ消し(息を吹きか て消してはいけない)、香鉢の中に す。
4 遺影に向かって合掌。終わったら遺 や僧侶に一礼して席に戻る。 
◇仏式・立礼の焼香のマナー
1 数珠は左手にかけ、順番が来たら静 に席を立ち、僧侶、遺族に一礼をす 。
2 祭壇の三歩ほど手前で遺影を見つめ 後、前に進んで合掌する。
3 親指、人差し指、中指の三本で抹香 つまみ、目の高さに上げてから静か 香炉の上にのせる。
4 正面の遺影を見つめ、再び合掌。そ ままの姿勢で三歩下がる。
5 僧侶、遺族の順に一礼し、向きを変 て席に戻る。
 
◇香典の目安
 五千円から一万円が一応の目安。 だし故人が両親の場合は一〇万
円、兄弟・姉妹の場合は五万円が平 。
 
▲贈答のマナー■
 
◇お中元
 関東では七月初旬から一五日まで 関西では七月中旬から八月一五日ま に送るのが一般的。表書きには「御 中元」と書く。送るのが遅くなった 合、立秋までは「暑中御見舞」、そ 以後は「残暑御見舞」とする。
 
◇お歳暮
 一二月初旬から二五日前後までに る。表書きは「御歳暮」。年が明け ようなら「御年賀」とする。
 
◇送る際のマナー
 本来、持参するのが原則だが、最 ではデパートなどから送るケースが い。その場合は、挨拶状を同封する か、手紙やハガキで通知する。もら た場合は、すぐ礼状を出す。

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