日本語は漢字によって飛躍的に進化 ました。漢字は日常に欠くことがで ない存在ですが、その功とともに罪 の部分も認めなくてはなりません。

日本語は、「かく(書く・欠く・掛 )」のように、漢字でさまざまに書 分ける内容をもっています。このよ うに多様な日本語の、その場その場 内容をひと目で識別できる手段が漢 です。しかし、そうした漢字依存が 、日本語のもつ本来の意味を失わせ いくことになります。

( (1) )、「かく」は、文字 絵を「かく」時に用いますが、漢字 紙が渡来する以前からありました。 その答えが縄文の土器です。それは をこねて成形したものに、縄目をは めぐらしたり、線文様などを刻んだ りしていますが、原初の「かく」と 、先の尖ったもので、掻いて土や石 表面に傷をつけることなったのです 。この「かく」行為は指先を使って なう動作であることから、後世、指 で何かをすることを示す場合にも用 いるようになりました。そして字を す動作も「かく」といい、絵に表わ 動作も「かく」と言い、やがて両者 を「書く」「描く」などと漢字を変 て区別するようになりました。その めに「かく」という大和ことばが、 本来はどういう動きを示すものなの が、わかりにくくなってしまったの す。

問1: ( (2) )に入る適当 語はどれか。
1 たとえば
2 さらに
3 いわば
4 なるほど

問2: どうして「かく」という大 ことばが、字や絵を「かく」という 味を表すようになったか。
1 「書」「描」という漢字が、そ 意味とともに日本に伝えられたから
2 「かく」ということばは、元々 先を使うという意味で使われていた ら。
3 どちらも指先を使って、物の表 に何かを記す点で同じだったから。
4 どちらも先の尖ったもので、物 表面に傷をつける点で同じだったか 。