「弱肉強食」という形容詞は、この の生きとし生ける動植物に、あまね 通用する言葉であると思われるし、 この世の生物の各種が、どれも均等 生き続けていられるよう目に見えな 力が存在することを意味している哲 学的な名句だと言えそうだ。 (1)「イワシは大海原の牧草であ 」と言われるだけに、マグロ類やカ キ類、さてはサメ類の如き大型の肉 食魚類は、イワシを十分に食べて、 きく育ってゆく。
さて、大型肉食魚類の襲撃を受けた ワシ類は、ひたすらに逃げまわるが 自然はイワシの「種」を守るために イワシに色々な特徴を与えている。 ず群れをつくることが、弱いイワシ 「力」を与えている。イワシを網で 捕って、活け賛に泳がせておくと、 ワシはすぐ群れをつくって活け賛の をくるくる回り始める。群れを作る ことで自分より大きい魚を撃退する であるが、この群泳が続く限り、個 のイワシの生命は安泰なのである。 このように自然は弱い魚にほど色々 (  2  )を与えている。
                                                 ( 末広恭雄「想魚記」より)

・イワシ:水面近くを群泳する小魚 、秋が旬とされる。
・生け簀(いけす):漁獲した魚や料理 などに使う魚を生かしておく所。

問1 (1)「イワシは大海原の牧草であ 」とあるが、何をたとえているか。
1 イワシは群れを作って海を回遊する と。
2 イワシは数が多く、大きな魚の餌と ること。
3 イワシは人間にとって大切なタンパ 源であること。
4 イワシは海の広い範囲に存在してい こと。

問2 (  2  )にはどの語が入るか。
1 繁殖力
2 防衛の術
3 適応能力
4 生命力