文化人類学の領域で、文化について 定義は学者によって様々ですが、私 アメリカの人類学者、c・k・クラッ ホーンの定義をよく用います。すな わち、「文化とは歴史的、後天的に 成された、内面的および外面的生活 式の体系である」という定義です。 文化という語には高い教養とか洗練 れたというイメージが結びつきがち すが、それも含めて、「生活の仕方 そのもの」が文化なのだという考え です。

道徳や価値観のような目に見えない の作用も、家の建て方や挨拶の仕方 ど目に見えるものも、どれも人が家 族や地域社会のなかで後天的に習得 たものです。それが歴史的に変化し 発展したり衰えたりするのです。

もとより言葉も文化の重要な要素の つであり、しかも文化の特徴や個性 、言葉にはっきりと表れると言われ ています。(1)それは単に発音の かたや文法の違いに出るだけではな 、自然現象など「物事のとらえ方」 や、悲しみや喜びのような「心の動 」の表現にも、地域の方言や言語の 性が表れるてくるのです。
(比嘉政夫『沖縄からアジアが見え 』より)
問1 (1)「それは」の「それ」は何を しているか。
1 生活の仕方     2 文化の特徴や個性
3 後天的に習得したもの 4 目に見えない心の作用

問2 筆者が述べている内容と合っている はどれか。
1 地域の方言や言語の個性は、発音の かたや文法の違いというより、「心 動き」の違いに現れる。
2 文化というのは、人が後天的に習得 たものであり、主に精神的なことが を指している。
3 文化は歴史的に変化し、発展したり えたりするが、その中で最も変化し くいのが言語である。
4 文化というのは、人々の暮らし方の 体であって、道徳や価値観、教養と ったものだけを指すのではない。