世界には様々な文化があり、それぞ 固有の世界観を持っている。しかし そうした多様性は、効率性の悪いシ ステムであると言える。相手の文化 な背景を理解し、「生きる意味」を 解しようとしていては、コミュニケ ーションの効率は良くない。そうい たコミュニケーションのあり方に苛 つ人たちもいる。

世界が多様な文化によって成り立っ いることによる非効率性、それを解 するのが「数字信仰」に他ならない 。その文化がどうであれ、一万ドル 一万ドルでしょう？年収三万ドルの うが一万ドルよりもいいでしょう？ だからどんな文化に属する人でもみ なが高収入を求めていきますよね？ いうわけだ。グローバリズムが依拠 しているのは、まさにこの「多様な 化を超える数字信仰」に他ならない 数字は効率的だ。数字は分かりやす い。相手の「生きる意味」だの何だ 、面倒くさい話をする必要がない。 １）ハウマッチ？とさえ聞いていれ ばいいのだ。しかし、現在の世界で きていることは、そうやって誰にも 用する「意味」を求めるあまり、結 局のところ誰の意味にもならなくな 、という皮肉な現象である。収入の 字が上がればそれだけで幸せになる という薄っぺらな「生きる意味」で 、私たちは実のところ自分の人生を きている実感が得られないのである 。
（斎藤茂太「人間の魅力の育て方」 ダイヤモンド社＞より）
・グローバリズム：市場経済が地球 模に拡大していくこと。地球化。

問１ （１）「ハウマッチ？とさえ聞いて ればいいのだ。」という一言に筆者 どのような気持ちが込められている か。
１ 賛嘆
２ 面倒
３ 苛立ち
４ 皮肉
問２ 筆者が本文で述べている内容と合っ いるものはどれか。
１ グローバリズムは、文化の多様性を めあい、共存することを目指してい 。
２ グローバリズムは、収入が増えれば せが増えるという数字信仰に立って る。
３ グローバリズムは、多様な文化を一 の世界文化へと発展させつつある。
４ グローバリズムは、世界に存在して る様々な文化を破壊しつつある。

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