人生の節目節目で、我々はいろいろ 選択や決断を迫られますが、その決 も複数ある選択肢のどれでもいいや 、という選択や決断ではうまくゆき せん。(ア)自分は何をしたいと思 ているのか、どの程度のことをした いと思っているのか、 あるいは今選ぼうとしていることが 分の性格に合っているのかどうか、 の方向を 選べばその後の生活はどのような方 へ向かうのか、などということにつ て(注1)あらかじめある程度の考 えを持っていないと、(注2)見当 つけられません。(イ)

見当をつける、というのは扱ってい 問題を一度手元から離して、遠い距 から眺め、他の問題とのかかわりが どうなっているのかという大枠を知 ことです。(ウ)日本には大局観と う言葉があります。また、英語から 輸入され、日本でも定着しているこ わざに、「木を見て森を見ず」とい のがあります。あるいは「(①)」 ともいいます。細部にこだわって見 をつけられない愚かな状態のことを っているのです。(エ)部分的な、 狭い知識だけでは、全体がどうなっ いるのかは判 断出来ません。大きな立場から見る 、それまで見えていなかったことが え、わからないこともわかるように なります。

(山鳥 垂『「わかる」とはどういうことか <筑摩書房>より)

(注1)あらかじめ:その事がおこ 前から。事前に。
(注2)見当をつける:だいたいの 向や計画を決める。

問1 「全体像を掴むことです」という一 が入るのは、ア〜エのどこか。
1 ア
2 イ
3 ウ
4 エ

問2 ( ① )に入る適当なことわざはどれか。
1 石橋をたたいて渡る
2 馬の耳に念仏
3 井の中の蛙、大海を知らず
4 急がば回れ

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