欧米人の書斎は、ただ机があって、 子があって、本があればよいという のではない。一定の広さがなければ 価値がない。彼らにとっては、歩き れるスペースがなければ書斎とは言 ない。動き回るからこそ頭がよく働 く。そして実際、彼らは書斎の中で によく歩き回る。(  ア  )私 昔、パリに下宿していたころ、上の 部屋に夜中になると歩き回る人物が た。午前一時になると、いつも決ま たように歩き出す。古アパートなも のだから、ミシミシとうるさくて困 たものだったが、その人もおそらく きながら、何かを一所懸命に考えて いたに違いない。(  イ  ) 

アリストテレスなどは歩きながら弟 たちに講義した。だから後に彼の弟 たちは逍遥学派をつくるのだが、と にかく考える、(  ①  )読む きには,歩くというのが一番いい。   ウ  ) 

しかし、一般的には、じつと座って 考するというのが、日本の哲学者や 想家のイメージだ。日本人はなかな か動かない。自分の専門領域のなか どっぷりとつかり、ただじっと考え 。動かすのはただ頭と、そして目だ けである。(  エ  )

(木村尚三郎「耕す文化の時代」< HF研究所>より)
(注1)アリストテレス:古代ギリ アの哲学者でプラトンの弟子。
(注2)二宮金次郎:貧農出身で苦 して成功した人。多くの小学校に銅 がある。 

問1 (  ①  )に入る語はど か。
1 あるいは   2 それとも   3 すなわち   4 それに

問2 「その点、薪を背負って、歩 ながら読書をしている二宮金次郎の は理想的だということができる」と いう一文は、ア〜エのどこに入れた いいか。
1 ア        2 イ        3 ウ        4 エ

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